お父様がお亡くなりになられた。
「お父様がお亡くなりになられた」
キンコンカンコーン、キンコーンカンコーン
????????????????????
「は?」
副担任の先生から自体を知らされた時は、何かの冗談だと思い信用しきれなかった。
血相を変えた先生の様子が普通ではないと分かった瞬間に心と頭が真っ白になった。
高校3年の冬、1時間目の政治経済の授業中の出来事だった。
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18歳の時の僕はあまりにも早過ぎる父親の死を経験した。
日本を離れて4年になるけど今でも昨日のことのように覚えている。
「4年の月日が過ぎ去ってしまった」
人生が変わる経験を色々としてきたけど、父親の死ほど苦しかった経験はない。
夜、受験勉強をしている時にたまに部屋をノックしてくれて、風邪引くなよー、早く寝ろよーと言っていた親父。大学卒業後すぐに就職した所を辞めて、独立して小さいながらも会社経営をしていて家族を支えてくれていた親父。
「人生何があっても後悔だけはするなよ」
それが親父が最後に言った言葉だった気がする。
正確には、早く寝ろよだったのかも知れない。
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父親との最後の日のことは何も覚えていない。
普段通りに日常の歯車が回っていて、自分でもそのことに何の疑いも持たなかった。
高校からの帰り道のJR鹿児島本線の中で色々なことを考えた。
「早過ぎるだろ。意味わかんねえよ。」
心のなかでそう叫びながら、血相を変えて家に向かっていた。
冷たくなった父親の顔に触った瞬間に心の中のすべての感情が爆発した。
「何で動かないの?何してんの?親父目開けろよ!!!!!!!!!!!!!!」
冷たくなった身体を振り、起こそうとしている僕を親戚に制止させられた。
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「明日、もし自分の両親が亡くなったら」
普段は考えることがないこの事をいずれは皆が経験する問題であることに間違いはない。
でもあまりにも早過ぎる死に当時の僕は混乱してしまった。
取り乱していた時期もあった気がする。
「今日生きていることは奇跡的なこと、
後悔しない生き方を」
4年前、そう感じたことを今も大事に日々を生きている。